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「奇蹟がくれた数式」(2015)

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こちらでは先週から公開されています。「数式」ということばに魅かれて観ることに。
アインシュタインと並ぶ天才と称されるインド人のラマヌジャン1887 – 1920)と、彼を見出したイギリスの学者G・H・ハーディ(1877 –1947)の二人が起こした奇蹟と友情を描いた物語です。ラマヌジャンが発見した数式は今ではブラックホールの解明やコンピューターのセキュリテイ分野で使用されています。
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映画冒頭の映像、ラマヌジャン・ノート(数学日誌)に添えられた「正しく見れば数学は完璧な美をも宿す」というバートランド・ラッセルノーベル賞学者)と「これほどロマンに満ちた数式を知らない。ラマヌジャンはインド人、私は彼に多くを負う」というハーデイのことばに、数学が持つ魔力をみることが出来ます。

神のことばとして直感的に数式が浮かぶラマヌジャンと神を信じず数式には証明を必要とするハーデイが、20世紀の始めの英国とインドという宗主国と植民地の関係や人種差別等極めて厳しい環境のなかで、どう苦難を乗り越え奇蹟の成果を残したか。それは「数学がもつ魔力」です。数式を理解することは、劇中で説明がありますが、難しい。それでも言わんとすることが伝わってきます。(#^.^#)

ラマンヌジャンを演じるのは「スラムドッグ&ミリオネア」のデヴ・パテルで印度人としての知的で神秘的な存在感を、ハーデイ教授役はアカデミー賞俳優ジェレミー・アイアンズで英国紳士のエレガントさをしっかり演じています。

映画はケンブリッジの最高峰トリーテイ・カレッジで撮影さて、映画では初めて許可されたものだそうで荘厳な映像を楽しむことができ、印度のエチゾチックが寺院や風景も見どころです。
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物語は、
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1914年、インドマドラスのとあるヒンズー教の寺院の石畳でラマヌジャンが方程式を解いているところから始まります。美しい妻を娶った彼(22)は仕事を求めてフランシス卿(ステイーブン・フライ)のもとを訪ねるが、大学を出てないと断られる。彼は大学に席を置いたが、独学で数学しか勉強しなかったので学位を持ってない。そこでナーラヤーナ(ドリテイマン・チャタージーという人を訪ね港湾事務所で働くことになる。

ナーラヤーナから家が与えられ、彼は妻、母親と3人で暮らすことになる。会社ではソロバンを使わず暗算で仕事をするので、フランシス卿に見つかるなと注意を受ける。ナーラヤーナは彼の数学ノートを見て「誰かに見てもらった方がいい。外には大きな世界がある、イギリスだ」とイギリス行を勧イメージ 4
める。このことを妻のジャナキ(デヴィカ・ビセ)に話すと「私より数字が好きですか」と言い「あなたの書く数式は何?」と問う。彼は「絵のようなものさ。どれもパターンがありとても美しい」と答える。
「ぼくの数式を見てくれる人を見つけたい、インド人の能力を示したい」と語り、彼女は「その時にはイギリスに呼ぶ」という条件で賛成をする。ラマヌジャンケンブリッジ大学のハーデイ教授に手紙を書く。
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・ハーデイは数式混じりのラマヌジャンの手紙に目を通し、そのままテニスに出かけるが夕食時再度手紙の数式を調べ、親友の数学者リトルウッドトビー・ジョーンズに見せる。「積分無限級数」はとてもおもしろいテーマということでケンブリッジから本人に連絡する。
妻はイギリス行を喜ぶが母は「私を裏切った」と大反対。しかし説得の末、毎日お祈りをするという約束で認める(彼は神官の息子)。インドを離れ、船の中でオーストリア皇太子暗殺事件のニュースを知る。
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ケンブリッジ大学に出向くとリトルウッドの出迎を受ける。部屋に案内される途中の庭でニュートンが座った椅子が紹介され、芝には特別研究員(フェローシップ)以外入ってはならないと教わる。部屋は大きな一人部屋で、紙がふんだんに置かれていることに驚く。

次の日、持ってきたインドの神をバッグから取り出しお祈りをして(終わると隠す)、靴がないのでスリッパでハーデイ教授に会う。教授からいくつかの授業に顔を出すように言われる。他にも論文があると提出すると驚異的だとリトルウッドが言い、ハーデイは「証明に一生かかる」と驚く。

夕食は、学生は大食堂でとるが、ラマヌジャンは自炊。食事が大問題。リトルウッドがやってきて「素数定理を研究中だと聞いているが、君と教授には共通しているものがある。それは仕事と妻だ。料理はインド風にラードを調整したものがある」と話して行く。リトルウッドはとても気さくな人だ。

・ハワード教授の講義を聞いていると「ノートをとれ」と促される。チョークが与えられ「(私が喋った)式を書け」と言われるので書くと「(そこまで喋っていない)まだ証明されてない」と叱られ「目立つ格好するな」と注意を受ける。
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ハーデイ教授に「彼の講義はどうだった、なぜ定理がわかったか」と聞かれ、「自分にはたくさんの式が沸いてくる」というと「直感ではだめだ、謙虚さが必要だ」と注意を受ける。
「君は何故われわれの先々に行きたがる?、オイラーやヤコビに(いずれ)代われる。教えてくれ、何故オイラーと同じ式が出てくるんだ。モーツアルトのように無限に君の式が続く謎を」と言い「授業で教授を脅してはいけない。この図書館に残ることこそ数学者にとって大切なんだ。ニュートンは沢山の証明を必要とした。君にも証明が必要なんだ」と言われる。久しぶりに妻からの手紙を受け取りこれに癒される。

・ハーデイ教授に新しい分割数公式ができたのでみてもらう。映画では公式の説明がある。ラマヌジャンはこの公式で授業を聞きながら計算してみる。教授が添削してくれたのでこれを発表させと欲しいと申し出ると「ぼくは君と同じ考えではない」と言って「高度合成数の数学的証明」という論文を渡される。教授が僕の数式を理解してくれたと感謝し、このことを母に伝えるととても喜んでくれた。

第一次世界大戦がはじまる。学友がこの戦争に駆り出され、ハーデイ教授には弾道学の研究をするよう要請があったが断る。ラマヌジャンが証明を嫌がるからだと噂される。
妻からの便りがないことを心配する。このころ妻ジャナキは寺院に行き彼の書いた数式をみて悲しむ日々であった。彼女は自分の手紙を届けて欲しいと母にお願いするが、母はこれを保管箱に入れてしまう(彼には届いていない)。

戦況が厳しくなり、フェローシップしか入れない校庭の芝にも野戦病院のテントが設けられるようになる。軍服を着た学友に「無駄な飯を食べるな」と暴行を受けるようになる。自炊をするが、食料特に菜食主義者の彼には野菜が不足し、食べられない日が続く。

遂に教授が集会で弾道学の研究をすると発表。教授会で「ラマヌジャンが非難されていることで、あなたも危なくなるな」と知らされる。こんな時期にリトルウッドが「ラマヌジャンの証明は間違っているから彼の研究をみて成果をだせ。争ってはだめだ」という手紙を残して出征する。
 
・ハーデイ教授がラマヌジャンのところにやってきて「直感ではだめだ!計算しろ。納得する証明をするまで論文はだせん」と証明の必要性を説く。これにラマヌジャンは「あなたには神がいない。僕には神と妻がいる」と反発する。そして、徹夜で論文を書き上げ教授に持っていくと「やったな!私たちのレオン図書館にきなさい。すばらしい証明だ、一緒に研究したい」と称賛する。

図書館を訪ねると教授が論文に手を加えており、これを仲間の教授たちに見せるが聞き入れない。そこでふたりで分割数の専門家マックマーンに会いに行く。彼は「計算が間違っている、精度がない。インドに帰ったほうがいい」とコメントする。ラマヌジャンは自宅に戻りマックマーンが指示した個数200で計算を始める。計算結果を持って再度訪れると「とてもいい、誤差2%以内だ」と驚く。しかしラマヌジャンは激しくせき込む。部屋で計算中についに倒れ、医者から結核の初期という診断を受ける。医者に「このことを教授に言わないで欲しい」と依頼する。

ツェッペリンによる爆撃を受ける。爆撃で少女の死に出会い、国の妻のことが思い出されるが彼女からは便りが届かない。かれの研究には妻への愛が込められており、もう自分は忘れられたのでゃないかと悲しむ。

ハーディは大学の特別研究員(フェローシップとしてラマルジャンを推すことにする。教授が「どうやって着想を得るんだ」と問うが「わからない」というのみ。教授は学内から「あんなやつがフェローか」と罵られる。なんとか元気つけてやりたいとラッセル教授を訪ねるが断られる。

ラマルジャンの体調はさらに悪化し、激しい咳とともに腕に発疹が現れる。雪の降る中、大学の病院に行く途中で倒れる。教授が病院を訪ねるが彼が見つからない。やっと入院先の彼を見つけ付き添うとラマルジャンは目覚め「妻は自分を忘れたようだ」と寂しさを口にする。

教授は「私は人との関係がうまく行かないから数学しかなかった」と言い、ラマルジャンは「ヒンドゥー教の女神ナーマギリが教えてくれるんです。信じますか」と問う。「証明ができるまでは信じない。私は神を信じない」と教授。そして手紙を渡し病院の指示に従うよう促して帰っていく。手紙は妻からのもので返事が欲しいというものだった。彼はローソク灯のもとで手紙を書く。

「何も食べない」と病院から呼ばれたハーデイは、ラマルジャンから「証明だ、誤差は0.004だ」と数式を預かる。ラマヌジャンは数式を神の言葉として捉え証明など必要がないと考えていたが、ハーデイ教授には神の声は聞こえないが数式の意味がわかる。証明を教授に託す!
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ハーディはこの数式を持って他の教授を訪ねフェローシップをお願いするが聞き入れられない。そこにリトルウッドが兵役から戻ってくる。「公式は作るものでなく存在するものである。私は最終的にそう思う。神しかない」とリトルウッドとともに教授会に出向き「ラマヌジャンは数式」を説き、その度に審査が繰り返される。イメージ 9
遂にフェローシップが認められ王室会員に推薦をされる。結果は手紙で妻に伝えられ、妻は自分の手紙が彼の元に届いていないと母の保管箱を調べると一通も発送されていないことを知る。
 
戦争が終り、ラマヌジャンは故郷インドに帰ることにする。ハーデイに、校内の庭を歩いていて「芝の中を歩け」と勧められ、「1年後には戻って来い」と見送られて帰国の途につく。しかし、1年後ハーデイのところに彼の死が伝えられる。32歳の死であった。
 
・ハーデイとリトルウッドがベートーベン記念館へとタクシーを探すが、車番1929を見つけこの車にする。(ラマヌジャンの逸話、タクシー数と言われる数値)END
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