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第21回「ぬしの名は」

綿布事業を軌道に乗せ、次に林業を盗賊団を使って始めるという戦国事業家としての直虎、これを支える家臣たちの姿が描かれました。「築城」等に多くの木材が必要とされ林業が発達した戦国時代。この時代を林業で描いてみようというのは面白い。林業、ここに出てくるような盗賊団(荒くれのも、のちに大富豪?)の仕事であったのかもしれません。()

直虎は気賀で綿布商売に目鼻がついたところで盗賊野郎に捕らわれ、彼らの馬欲しさの質にされました。彼らには馬よりは価値があるということ。()
牢のなかで盗賊団の頭と交わす「お主は泥棒などやめて真面な仕事をしては」に「武士も泥棒ではないか、先祖に力があって土地を取り上げ、それで食ってる!」という話、よくぞ森下先生書いてくれました!! 土地資産家からはしっかり税金を採ってください。() それにしてもこの盗賊団の力也、真壁刀義さんの迫力にびっくり。これを使いこなす頭は何者だ!

直虎は「奪わなければいけないというなら奪わなくてよい“世を作ろう”」と彼等を誘い森林伐採を委ね、林業へ進出です。「乱れた世を何とか住みやすい世に」と大きな視点をもつまでに成長しています。このことが見えてこない柴咲こうさんの直虎の演技、脚本通りに演技しているのでしょうか。(笑)

直虎が盗賊に拘束されるという領主としての大失態。これは直虎の好奇心が強いこと、自分でなんでもやりたがる性格によるもので、己に責任があります。しかし、これが許されるのは、陰で支える政次や直之ら家臣の大きな支えがあるからです。今回の事件でも政次の智恵・大きな愛で事なきを得ました。「無理をするな」という直次の気持を思うと“ちと”切ないです!ふたりの関係はとても信頼し合うものになっています。しかし、史実ではまもなく亡くなるんですね!その前のひとときの安らぎ、そのときが辛すぎる。行間を埋めるほどの出番しかありませんが、政次:一生さんの演技を堪能しています。

「ぬしの名は」は、「君の名は」(1952)ですよね。ふたりはこれまでに4回の出会いです。何度かのすれ違いを経て再会を果たすという物語に似ています。であれば、政次亡きあとの直虎にとって、彼はイケメンで大切な人物になるのでしょう。「Ji--」の森下さんですから。おもしろい大河になると期待です
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○綿商いの成立。イメージ 2
直虎たちは、綿布を売るために気賀を訪れます。方久が「綿布をどこで売るといいのか」と中村屋の与太夫に相談をします。直虎は、「民が手塩にかけて作ったもの、できるだけよい道を探りたい」と要望します。
太夫は「気賀は浜名湖が海とつながっており船で一度にたくさん運べる。異国の者に売るという方法もある」と説明します。話を聞いて、街を歩きながら「当面、陸路でもいいのではないか」と話していると六兵衛が南蛮品を売る店を見つけます。街のセットがすばらしい!イメージ 3
直虎が襞襟という装飾品をみて興味をもちそれを首にぶらさげているところに子供にぶつかられ、気づくと銭入れがすられている。
直虎が慌ててその子を追いかけ掴まえて、銭入れを返すよう促すがその子は銭入れを別の子に投げて逃げる。

○直虎、盗賊に捕わる
銭入れを持った子を追いかけ追い詰めるが、いきなり大男に頭を後ろから殴られその場で倒れてしまう。大男が直虎の顔をのぞき込む。方久と六左衛門は与太夫の力を借りて探すことにして、六左衛門が井伊に戻って事情を説明するのでした。
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直虎は、目が覚めると、どこかわからないところに閉じ込められている。手足をしばられ、頭に痛みがある。銭入れを盗んだ子らが食事を届けるが何も喋らない。
監禁されている上の階では、大男が飯を食べている。そこに盗賊団の頭が戻ってくる。旅の男がこの盗賊を仕切るリーダーだった。
リキヤから「頭、男か女かわからない上玉を捕らえている。井伊の領主だと言ってる」と聞いて、旅の男が地下牢にやってきて、直虎はこれを見て「お主は、・・」と絶句する。
カジが「やっかいな者をつれてきて、湖に捨てるしかない」と話すのを聴いた直虎は、「ひっとらえて打ち首にするぞ」と喚く。
しかし、頭は「ここではただの女子でしかない、しばらくおとなしくしてくださいな」と言ってにぎり飯を口に放り込んでその場を去る。

店先で、カジが「この女、殺すべきだ」と言いこれにリキヤが賛成するが、頭は「女を殺してもなあ・・」と思案。仲間のモグラ中村屋が人を探していると聞いてくる。

○井伊家の対応
一方、井伊では直虎が行方不明になったとして大騒ぎ。直之、政次、祐椿尼などが集まり心配している。そこに方久が気賀から戻ってきて「中村屋に殿の銭入れと一緒に文が届いた」と告げる。祐椿尼は、この銭入れは直虎のものだと認めます。
盗賊たちは、直虎と引き換えに百貫の銭を要求してきたのでした。これを聞いた直之が「武士の名折れ!」といきり立つ。政次が「とりあえず払うとして、お金を取りに来たときに捕らえる」と説得し、席を外して「南渓に頼んでおくか」と寺に向かいます。

盗賊たちは井伊の者がやってきたのを確認し、交換する直虎の様子を確めに地下に降りてくると、なんと直虎が子供の首に短刀があてがっている。そして、「われをここから出せ。さもなければ子供は殺す」と脅す。頭は「殺してみろ。親もいないガキなので、どうぞどうぞ」と応じない。直虎がひるんだ隙に子供は直虎の腹に肘をいれ逃げていく。
「これが尼さんのすることか」と言う頭に「なぜこのようなことをしている。もっときちんと働く道もあるだろう」と叱りつけると「領主なんて大泥棒じゃないか」という。直虎が「どういう意味だ」と聞きますが男は何も答えないままその場を去って行く。

○領主は大泥棒?
直虎を救出すべく直之、六兵衛、傑山ら一行が井伊を発つ。指定の小屋までの道が険しく、直之らは馬を途中で繋いで、徒歩で小屋に急ぐ。
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翌日、直虎は地下牢から放たれる。そこで猿ぐつわを外されたので「なぜわれが泥棒なのだ」と昨日の話を蒸し返す。「年貢を取り上げてるでねえか」という。直虎は、「井伊の土地を貸しているから年貢をとるのが当たり前だ」と答えると「大昔にあんたの先祖にたまたま喧嘩が強かって、人の土地をぶんどってその領土を貸して百姓から吸い上げる。これは泥棒以外のなにものでもないではないか。大泥棒だ」と反論します。
頭は、「自分たちは武家からしか盗まない。泥棒から泥棒しているだけだ」と言い張る。直虎は「お主、いかれているのではないか」と言うと、頭も「バカはあんたらの方だ」というのです。「しばらくおとなしくしていろ!」と直虎は針を刺され放置される。

○直虎の救出
直之らが指定の小屋に入り直虎を救出する。直虎に意識がない。金の受け渡しをしようとするが盗賊がいない!「謀られた、馬だ」と直之は気付く。しかし、盗賊は、潜んでいた傑山の放つ弓に手こずり、馬を置いて慌てて逃げてしまう。

傑山らから報告を受けた南渓と政次は直虎の無事を確認して安堵します。南渓が、直虎が無事救出されたこと政次に伝えますが「さようでございますか」と表情を変えず去って行く。南渓が「あいつも浮かばれぬ」と呟くのでした。
この回りくどい捕物劇。() 政次の智恵と愛情、直之らの勇気・傑山の優れた武技で直虎はしっかり守られていることがわかります。

直虎が井伊谷に戻ってくると、たけが「盗人を追っていなくなるなんて」と小言を言い直虎の髪を櫛でとかしながら泣くのでした。娘の高瀬が「母上・・」と優しく労わります。

直虎は「盗賊たちに対して何もしない」と決める。これに直之が「とられたものの金額ではない。井伊が盗賊にやられっぱなしなのが問題だ」と強く反発します。直虎が「相手がまったくわからないしどこにいるのかもわからない。直之らが出払って井伊が手薄になることの方が問題だろう」と応じ、「心配をかけた」と詫びます。これを聞いて政次は「わたしはこれにて」とそっと去って行きます。

数日後、直虎は百姓の出の高瀬に「武家を泥棒だと思ったことはあるか」と聞くと「百姓で奪われたと思ったことがないものはいない」と答えます。高瀬の高橋さん、しっかりセリフを覚えて、よい演技ができていますね!
すると、祐椿尼が「武家も同じです。どんどん戦に勝って領土を広げなければ、功をたてたものに領土をあたえられない。だから、戦をしてどんどん奪っていくしかない。そうなると、当然に奪われるものもいるわけで、よそものが領主になることも多くあるというのです」と付け加えます。
直虎は、その話を聞いて奪い合うことでしか世の中は成り立たないのかと疑問に思うのでした。

○直虎、盗賊衆を雇って材木商いに進出
そんなことを話しているところに、古い姫さまにと方久がやってきて「材木の商いをやらないか」と提案をします。「木を盗まれるのは儲かるから盗みにくる。材木をやれば儲かる」というのです。
しかし、直虎は「それではまた人手が足りなくなる」と考えます。そして、思いついたのが盗賊集団を利用することです。世太夫を通して頭を探してもらい、南渓に寺を借りそこでひとりで会うことにします。来なければそれはそれで仕方がないと思っていたが男やってくる。
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直虎は、「世を拗ねるな。奪い合ってしか生きられない世に一矢報いたいというのならば、奪わずとも生きられる“世を作ろうではないか”」と誘い「材木の商いをやりたい。そちらに木を切ることをお願いしたい。分け前は、井伊が7で、そちが3の割合だ」と木の伐採を持ち出す。「そんな話をなぜわしたちにするのか。もっとほかにもいるだろう」と断ります。
武家は泥棒だと言われ、そうかもしれないと思った。しかし、それを認めたくはないから、泥棒と言われない行いをするしかない、己のためだ!」と自分の気持を伝えると、男は「よろしく頼みます!」と仕事を引き受ける。「頭、名はなんというのじゃ」、「龍雲丸だ」。雲が龍に見えて、こうして二人の奇妙な縁は再び結ばれ、龍雲丸率いる一団が井伊にやって来た。しかし、そうすんなりとことは運ばない。直之があれは盗賊」と異論を挟む。
***つづく***
 記事 20170529
おんな城主 直虎>第21回「ぬしの名は」視聴率は13.2