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第29話 「天璋院篤姫」

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家定公(堺雅人)の薨去に、茫然自失。涙が止まることのないあおいさんの表情に打たれます。滝山(稲森いずみ)から、家定の死を公にするのは88日と知らされ、「公に喪が発せられるまでは誰にも知られてはならない」と念押しされる。
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篤姫宮崎あおい)は朝の仏間も休み、「わたくしが上様の命を奪ったようなものじゃ」と自ら責めます。本寿院(高畑淳子)、お志賀(鶴田真由)にも滝山からなにも知らされない。 
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西郷(小澤征悦)は斉彬(高橋英樹)上洛を待って京におり、ここで斉彬の死を知らされます。月照高橋長英)に薩摩に帰ることを伝えると、月照は「あんた死のうと思っているのでは生きなさい!殿さまの意思を継ぎなさい」と励まし、西郷の手を取って「あんたの命は受け取りましたぞ」と命を預かる。西郷の目に涙です。
そこに老女村岡(星由里子)が近衛忠煕春風亭小朝)の書簡を水戸の斉昭(江守徹)に届けて欲しいとやってきます。そこには斉昭の助力で一橋派の諸大名に呼び掛けていこうと書かれていました。
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 薩摩では帯刀(瑛太)の采配で斉彬の葬儀が滞りなく終わると、そこに忠教(山口裕一郎)がやってきて「兄斉彬の遺志を継ぎ、兵を率いて京に上る、旧弊極まりない幕府を改革したい。ただ、父斉興(長門裕之)が問題だ」という。江戸薩摩邸の斉興は「わしが薩摩を救って見せる」と息巻いている。
 
帯刀が大久保正助原田泰造)の家に行くと「お由羅(涼風真世)の子が力をもつことになるのか」と有馬(的場浩司)や有村(平山広行)たちが危機感を抱いている。大久保が「よかったのではないですか。力を持つ人間の強さを嫌というほど知った。それを使ったらいい」という。
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大奥では、篤姫が本寿院やお志賀の辛さを思い家定の死を隠し通すことに迷い始めていると、お志賀がやってくる。篤姫はもはや隠し通せなかった。お志賀のもってきた菓子を口にし、家定との思い出に浸りながら、お志賀に「上様は?」と問われ家定の死を知らせる。お志賀が「なぜ、公方様のお体のご様子に気付かなかったのですか」と責める。お志賀の悲しみを受け止め、悲しみに耐える篤姫。「次は本寿院様じゃ」と幾島を振り切って会いに行きます。
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家定の死を知った本寿院は「そなたが毒殺したであろう」と叱る。本寿院は、そこにあった生け花で、煙管で激しく叩き、篤姫を責める。辛いシーンです!「私は父の死も上様の死も知らされなかった。そのときの悔しさを思うと伝えられずにはおれなかった。母上であればその悲しみはいかばかりかと」と本寿院の悲しみを受け止めます。家定をどれほどに愛していたか、あおいさんの渾身の演技に泣かされます!
幾島(松坂慶子)が「あまりにもひどい」と怒るが、「これでゆっくり上様と話ができる」と普賢菩薩を手に家定との思い出にふけるのでした。これほどの悲しみのなかで、他者を思いやるという人としての大きさを見せます。
 
直弼(中村梅雀)は「まずは朝廷の周辺から洗い出せ。この密勅に関わりしものは公家、武家を問わず、捕らえ厳しく詮議せよ」と命じる。
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一方、家定の葬儀が執り行われ遺骸は上野寛永寺に葬られ法名は恩恭院とされた。そして落飾の日が告げられ、篤姫が「これで心置きなく上様を弔える」と呟くのでした。落飾まで篤姫の身の回りの世話を一手に引き受ける幾島。心許せる人がいなくなった今、自ら篤姫の髪を梳き、支えようとする幾島の配慮に、姫様教育から大奥に入り苦楽を共にした日々が思い出され、涙が溢れます。
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導師の読経のなかで、篤姫の豊かな髪が切り落とされる。24歳での落飾、この日より天璋院と呼ばれるようになります。
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お志賀も髪を落とし豊険院となり、御用屋敷で余生を過ごすと挨拶に訪れます。篤姫は、お志賀に会うと、あの日のことが思い出され涙すると「なぜお泣きになるのです。御台様は公方様に愛されたではありませんか。愛されながらいつまでも悲しみに暮れておられる。愛されずに終わった女から見れば、それはぜいたくです」という。
「ぜいたく?」、この言葉を噛みしめていると家定の「福富(松田翔太)を補佐してやってほしい」という言葉が蘇り、家定の遺志を思い出しわれに戻ります。
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直弼に糺すと「大奥におわす方が政に関わるなど、聞いたことがござりませぬ!」と慇懃無礼にいう。こうして篤姫と直弼の戦いの火ぶたが切られたのでした。
 
今回、あおいさんはほとんど涙するシーンばかりで、まさに篤姫に生きる演技でした。そしてこれを支える幾島:松坂さんの慈愛に満ちた演技も凄かったですね! こんなに涙した大河ドラマはこれまでなかったです! 
***第29話おわり***