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第23回「大地」

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四三(中村勘九郎)やシマ(杉咲花)の提案で、富江黒島結菜)は父の大作(板尾創路)と駆けっこで競争。鍛えた女性は勝てると証明する。治五郎(役所広司)はスポーツが育ってきたオリンピックを開催できるよう神宮外苑競技場の歓声を急ぐ。方や、孝蔵‘森山未来)よおりん(夏帆)夫婦は、貧乏と夫の酒浸りの生活のせいで破綻寸前に。そんな折、関東大震災が発生!混乱のなかで孝蔵は妻を庇う。
感想:
関東大地震がテーマ。映像がすばらしかった。そして震災にまつわるエピソードもよかった。なんといっても、孝蔵とおりん夫婦がこの震災でどう変わったか、落語「厩火事」を引用して語られる演出は秀逸でした。
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地震で夫婦の結びは固くもなるし、これで分かれることにもなる。教訓にしたいですね。() 
シマを失った増野(柄本佑)の無念さには泣かされました。いつこのような状況に出会うか分からない。それだけに精一杯その日を生きたいですね。
 
神宮競技場が完成し、女子のオリンピックに強い意欲を示していたシマが行方不明に。憧れの陸上の“りく”を娘の名に残して、若くして逝く。あんなにオリンピックを楽しみにしていたのに残念ですね! 
シマは「何もなしえずに無念」と思っているかもしれないが“りく”をこの世に残したことで立派に役目を果たしています。杉咲さんが美しかった!
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いつ何が起こるか分からない、思いを託せる人を残すことの大切さを学びました。
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富江や梶原たちが立てこもった教室の前に、教員や親、生徒たちが集まった。
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皆で説得するが聞く耳を持たず、「処分は受けます」「「走りやすい恰好で走ってなんが悪い」「女らしくないって誰が決めるの?」と反論してくる。()
黙っていた四三、そろそろころあいと、「腹減ったろう。豚鍋をおごるから出て来い」と叫ぶ。中から生徒たちのほっとした笑い声が漏れ、出てくるかと思ったところで、富江の父・大作(板尾創路)が「俺に恥をかかせて!許さん!」と叫ぶ。四三の配慮で播磨屋からおにぎりの差し入れがあり、女生徒たちの士気は衰えない。
 
「女は運動などせんでええ!身体が向いとらん」という大作に、シマが「女の体はそんなにヤワでない。富江さんと競走して証明してもらいます」と提案。
 
これで大作と富江は夜の学校で競争することになり、6回走って富江の圧勝。四三は教員を続けられることになった。これで素足問題は一件落着、4分も時間をかけたがつまらんエピソードだな! 
 
大正121923)年春。四三とシマはミルクホールで治五郎と会うと、神宮外苑に建設中の競技場のモデルを示し、夏には完成するという。治五郎は「これで東京オリンピックの用意はできた。次のオリンピックはパリで開催される」という。シマが「この子たちがスタジアムを走るんですね」と感激する。
 
ここからは孝蔵の落語「おりん噺」として東京大震災が語られる。東京大震災が志ん生とおりんを本当の夫婦にしてくれたといういい話を聞かされます! 森山未来さんと夏帆さんが熱演です!
 
孝蔵は、おりんと所帯を持っても相変わらず酒浸りの日々で、家賃の支払いが滞り、下谷清水町の長屋から夜逃げした。
田畑動坂の引っ越し先に小梅が訪ねると、おりんが「家には一銭も金を入れない。あーだまされた。芸人の女房なんぞいやだ」と小言をいう。小梅(橋本愛)が「あんなひどい男はいない。落語の“厩火事”旦那の前で転んで、瀬戸物か自分を取るか試してみたら」という。
この「厩火事」が、関東大地震でどう試されたかが描かれました。うまい演出ですたね!
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91日、第2高女では二学期の始業式。四三は式のあと、完成間近の神宮競技場を治五郎に案内してもらう。シメには言い忘れていて、シマは富江らと浅草オペラを観ることにしていた。シマが出かけるときに何故かリクが激しく泣く。この後の惨事を思うと、この描写に泣けます。
四三は、メインスタジオには15000人を収容、芝生席に4万人収容できるという競技場を見て圧倒され、さっそく走ってみる。
その頃、浅草に着いたシマは浚雲閣の展望台から神宮競技場を見て、「見える、見える」と感激していた。
 
孝蔵はこの日、銭のない日で朝から変な日だったという。
 
四三はグランドに寝っ転がり空を見ていた。治五郎が何年生きるつもりだと聞かれ「あと30年、60まで生きる」と答えた。すると治五郎は「150歳まで生きる気がする。そうしないと追いつかない。ここでのオリンピックが最終目標ではない。柔道を世界に広めたい。そのころは地球は火星と対峙しているだろう。火星人にも柔道を広めたい」という。 
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孝蔵が、「酒!」と叫んでも酒が出て来ない。頭にきて草履を引っかけ出かけようと家を出たところで“ぐらっ”と来た。時刻は午前1158分。
ありんが茶わんで水をかけて火を消していて、茶わんを割った。孝蔵は酒がなくなると酒屋に飛び込み樽の栓を抜いて飲んだ。

余震が続く中、酒びんを抱えて帰ると、おりんが「酒と女房とどっち」と聞いてくる。「女房だ。怪我でもされてみろ!明日から遊びも酒も飲めない!」と答えた。() すると「あたしゃ身重だよ!」と怒鳴る。さすがの孝蔵もこれには驚いた!
 
神宮近辺の被害は軽く、四三も治五郎も無事だった。四三が播磨屋に戻ると、播磨屋の店内は足の踏み場もない。そこに辛作一家とシマの娘・りくがいた。
シマがいない。四三は外に出て崩壊した町を見た。
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このころ孝蔵は「これは大変だ。落語どころではない全面火の海だ。地震より火事の被害がひどかった。吉原がもっともひどかった。下のやつは溺れ、上のやつは焼けた。見つかりっこない。南風に乗りすっかり焼き尽くした」と・・・。
今回の震災の映像、ここで語られる流言飛語などのエピソードがよかった。
 
増野(柄本佑)が播磨屋に戻ってきて「百貨店が全焼、うちのは?」と聞く。「四三さんが探しに出かけた」と辛作(三宅弘城)。
 
四三はシマを探しに浅草に向かった。そこで自警団に「お前日本人か?」と誰何される。「俺は熊本人!」。このとき朝鮮人襲撃という事件があったんですね!
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瓦礫だらけの浅草に着くと、大作が救助活動をしており、富江もやってきた。富江が「シマ先生と浚雲閣12階で待ち合わせしいた」という。四三は浚雲閣を見て驚いた。建物は8階で分断され、残った部分も焼けてしまっていた。浚雲閣の映像がよかったですね!浅草の街はたった2日で消えた!!
 
その後も四三は、りくを連れた増野とともにシマを探し続けた。バラックの並ぶ上野を訪ねシマの名を叫び続け、尋ね人の張り紙を出し、浅草でシマの名を叫び続けた。増野は号泣した。「あきらめしかないんでしょうか?どこかであきらめかけている」という増野を「あきらめたらいかん」と励ます四三。
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増野は「朝、ごはんが固いと文句を言った。一緒にいるのだから言ったほうがいいと思った。どうでもいいことを」と悔やむ。「りくはシマが陸上好きということで付けた名だ。もっと走って欲しかった」と泣く。
 
そこに人力車を引く清さん(峯田和伸)がやってきた。「家も店も焼けたけど死なずに済んだ」と四三と抱き合った。そして「明るいニュースがないから、喜びは大きな声を出す」と増野に話しかけ「一緒に探してやる」と約束した。峯田さんの演技が凄い、もう勘九郎さんを凌いでいますね!
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孝蔵が家に戻り、「酒!」とおりんに。「こんなときに飲まなくても」「こんなときだから飲む」「湯呑が全部割れた」「なんで俺のものを着ている」「だって寒いんだ!」とおりん。孝蔵は笑った。
地震で夫婦が固まる人がいるが逆に別れる人もいる。地震が人生の大きな転機。孝蔵とおりんはうまく行ったようですね。
五りん(神木隆之介)の素性が明かされました! びっくりでしたね。
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記事 20190617
NHK大河「いだてん」18回連続1ケタ6・9%

831日下記に移転します。
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